放射能汚染検査事業のご案内
東京電力福島第一原子力発電所における事故は、福島県内外に多大なる影響を及ぼし、農業・水産業・商業・工業等の諸分野で、出荷停止・注文取消し・受入拒否等の甚大な被害を与えました。
当社では、福島県内に分析センターを置く企業として、これらの信用不安払拭の一助となるべく、各種製品・原料・環境試料等の放射能汚染検査を実施しております。
測定の対象と内容
現在、測定対象に応じて以下の 3 種類の方法で残留放射能の測定を行っております。
(1)液体・食品・土壌等に含まれる放射性核種検査
[ 測定単位:ベクレル毎キログラム( Bq/kg ) ]
放射性ヨウ素( I-131 )、放射性セシウム( Cs-134 、 Cs-137 )を検出し、各々の放射能の強さを測定します。
(2)工業製品等の表面汚染度検査
[ 測定単位:マイクロシーベルト毎時(μSv/h ) ]
(3)環境(大気)中の放射線検査
[ 測定単位:マイクロシーベルト毎時(μ Sv/h ) ]
測定方法の概要
放射性核種検査 (放射性核種( I-131 、Cs-134 、Cs-137 )別の測定)
液体・粉末、食品、土壌等に含まれる残留放射能を放射性物質の種類(放射性核種)別に測定するものです。
検査方法はNal(TI)シンチレーションスペクトロメータを用いた核種分析とGe(ゲルマニウム)半導体検出器を用いたγ(ガンマ)線スペクトロメトリーによる核種分析の2種類をお選びいただけます。
検体をお預かりした後、検体の形態・種類に応じた前処理を行い、専用容器に充填し測定します。
検体に放射性物質が認められる場合、核種に応じたエネルギーのγ線が検出され、放射性ヨウ素(I-131)、放射性セシウム(Cs-134、Cs-137)を同定します。
さらに、それぞれの核種の測定値から周囲の環境などに起因し検体とは無関係に検出される放射能の測定値(バックグラウンド)の補正後、残留放射能の強さを計算します。
残留放射能の強さは Bq/kg という単位でご報告します。
Bq (ベクレル)は、報道でもしばしば耳にしますが、一定の時間( 1 秒)に崩壊する原子の数として放射能の強さを表す単位で、放射能に関するさまざまな基準に用いられております。
当社の測定報告書では 1kg を単位質量とした検体の放射能の強さを示しております。
検体調製、測定に関しましては、文部科学省放射能測定法シリーズ(「緊急時におけるガンマ線スペクトロメトリーのための試料前処理法」等)を参照しております。
また、食品類に関しては、厚生労働省の通達(「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」)等にならって実施しております。
なお、検体を専用容器にできるだけ隙間なく充填するため、野菜等の食品類は見た目以上に量が必要となりますのでご注意ください。
測定機器種類 | 検出下限値(参考) | 専用容器の容量 | 必要検体量 |
---|---|---|---|
Nal(TI) | 20Bq/kg | 1L | 野菜・果物・米 1kg~ 稲わら 500g~ 土壌 2~3kg |
Ge半導体検出器 | ~5Bq/kg程度 (不検出の場合、測定時に計算した検出下限値を報告) | 2L | おおよそNal(TI)の倍量 |
Ge半導体検出器(U8容器) | 20Bq/kg | 100mL | 野菜・果物・米・土壌 100g~ |
上記以外の検体、または必要量に満たない検体の測定をご希望の場合は別途ご相談ください。
工業製品等の表面汚染度検査
工業製品等の表面で放射線を測定する検査です。測定方法は空港などで見かける人体に対して行うスクリーニングと基本的に同じものです。
現在、国内または諸外国において、工業製品等の放射線量に対する統一的な検査基準は存在しません。
γ線スペクトロメータ( NaI(Tl) )による放射線量率の測定
[ 測定単位:マイクロシーベルト毎時(μ Sv/h ) ]
測定対象に放射線を検知する部分を近づけ、検体表面で検出される放射線量を測定します。測定結果は、検体表面での測定値と、周囲の環境などに起因し検体とは無関係に検出される放射線の測定値(バックグラウンド)を求め、検体表面での測定値からバックグラウンドを差し引いた値をご報告いたします。
測定単位はマイクロシーベルト毎時(μ Sv/h )で、放射線が人体に影響する度合いを表します。
尚、この検査では放射性物質の種類(ヨウ素、セシウム等)の特定(同定)は行いません。
環境放射線検査 (大気中の放射線量率測定)
γ(ガンマ)線スペクトロメータ( NaI(Tl) )を使用し、測定地点における大気中の放射線量率を測定します。現地にて装置を立ち上げ、測定を行います。
測定単位はマイクロシーベルト毎時(μ Sv/h )で、放射線が人体に影響する度合いを表しています。
環境中の放射線量率は、自治体ホームページ等で公表されておりますが、測定地点の地形や気象等のさまざまな条件によって変動しますので、例えば工場の敷地や倉庫内などといった特定の場所の放射線量率を厳密に確かめるためには、各々個別に測定する必要があります。
尚、この検査では放射性物質の種類(ヨウ素、セシウム等)の特定(同定)は行いません。
ご依頼からお支払いまでの流れ
お問い合わせ
ご依頼の前に、当社放射能測定部門にEメール、ファックス、電話等によるお問い合わせをお願いいたします。
お問い合わせ先 株式会社加速器分析研究所 白河分析センター 〒 961-0835 福島県白河市白坂一里段 6-270 Tel: 0248-21-1055 fax: 0248-21-1057 または、お問合せフォームよりご連絡ください。 e-mail: office@iaa-ams.co.jp |
ご依頼書の提出
ご依頼に当たりまして、「依頼書」をご提出いただきます。
下記リンクより「放射能核種検査依頼書」様式をダウンロードし、ご記入いただいた上で、 E メールまたはファックスで当社放射能測定部門にお送りいただくか、測定対象検体とともに白河分析センターにご送付もしくはお持ち込みください。
尚、検体を直接お持ち込みいただく場合には、訪問時間の予約が必要となりますので、必ず事前にEメール、ファックス、電話等にてご相談ください。
(1) 放射性核種検査
(2) 工業製品等の表面検査
(3) 環境放射線検査
様式のダウンロードができない場合はEメールまたはファックスにてお送りいたしますので、お問い合わせの際にお申し付けください。
測定検体のお預かり
測定検体のお預かりには 3 つの方法が有ります。
(1)測定対象検体を送付
検体をご送付いただく場合は、依頼書と共に下記白河分析センター宛にお送りください。
(2)測定対象検体を持込
検体を白河分析センターに直接お持ち込みいただく場合、訪問時間の予約が必要となります。必ず事前にEメールやファックス、または電話にてご相談ください。
(3)当社職員が出張して測定・検体採取
- 表面汚染度検査では、検体が大きく移動できない場合や、量が多い場合に、当社職員が出張して測定することも可能ですのでご相談ください。
- 環境放射線検査はすべて出張測定です。
- 放射性核種検査では、土壌などの検体を当社職員が現地で採取することができます。測定はすべて白河分析センターにて実施します。
なお、出張にかかる費用はお客様のご負担となりますのでご了承ください。
測定対象検体送付・持込先 株式会社加速器分析研究所 白河分析センター 〒 961-0835 福島県白河市白坂一里段 6-270 Tel: 0248-21-1055 fax: 0248-21-1057 |
※検体を直接お持ち込みいただく場合には、訪問時間の予約が必要となりますので、必ず事前にEメール、ファックス、電話等にてご相談ください。
測定・ご報告の流れ
測定から報告書の提出までは、以下の工程となります。
(1) 放射性核種検査 | 検体調製→白河分析センターにて測定→報告書作成 | |
(2) 表面汚染度検査 | 検体送付・持込 | 白河分析センターにて測定→報告書作成 |
出張 | 現地にて測定→(白河分析センターにて)報告書作成 | |
(3) 環境放射線検査 | 現地にて測定→(白河分析センターにて)報告書作成 |
お支払方法
下記銀行口座に後日お振込みまたは白河分析センターで現金払い
料金お振込み先銀行口座 みずほ銀行 向ヶ丘支店 口座種類:普通 口座番号: 3016775 名義:(株)加速器分析研究所 |
納品・納期
測定方法 | 納品 | 納期 | |
---|---|---|---|
(1) 放射性核種検査 | 検体送付 | 測定結果の報告書と返却検体を同梱し、郵送 | おおむね当日または翌日に速報 速報の翌営業日を目安に発送(検体の量や数、前処理法によっては時間がかかることがあります) |
検体持込 | |||
(2)表面汚染度検査 | 検体送付 | 検体と測定結果の報告書を同梱し 、郵送 | おおむね当日または翌日に速報 速報の翌営業日を目安に発送 |
検体持込 | 測定終了後、その場で報告書を作成、提出 測定量が多い場合、後日報告書を送付 | 測定終了後3営業日以内に報告書を発送 | |
出張 | 測定終了後、その場で口頭にて測定結果を報告 後日報告書を送付 |
||
(3) 環境放射線検査 | 測定終了後、その場で口頭にて測定結果を報告 後日正式な報告書を送付 | 測定終了後3営業日以内に報告書を発送 |
放射性核種検査の場合、お預かりした検体は原則当社で処分いたします。ご返却が必要な場合は着払いにて承りますのでお申し出ください。
尚、放射線量が特に高い検体、処分が難しい検体につきましては、お引取りをお願いする場合がございますので、予めご了承ください。
料金
放射性核種検査
検査方法 | 検出下限値(参考) | 料金 | |
---|---|---|---|
Nal(TI)シンチレーションスペクトロメータ による核種検査 | 20Bq/kg | ¥7,000 | |
Ge半導体検出器による核種検査 | ~5Bq/kg程度 | ¥10,000 | |
~5Bq/kg程度 | 前処理(※)不要 | ¥9,000 | |
10Bq/kg | ¥9,000 | ||
10Bq/kg | 前処理(※)不要 | ¥7,000 |
1 検体当たりの単価(消費税抜)となります。不検出の場合、測定時に計算した検出下限値を報告いたします。また、測定検体の個数によってはお値引きできる場合もございます。
※前処理について
- 洗浄(水洗い)
- 事前の洗浄の有無により測定値が変動することがあります。必要に応じて行ってください。
- 粉砕
- 正確な数値を測るためには、検体を測定容器内に隙間なく詰めることが不可欠です。 そのため、ある程度の大きさのある検体は、細かく刻んだり、小さく砕いたりといった作業が必要となります。
その他、ご不明な点がありましたらお問い合せください。
オプション
土壌の前処理(乾燥・ふるいがけ) | ¥2,000 |
水分率測定 | ¥1,000 |
英文報告書 | ¥1,000 |
1 検体当たりの単価(消費税抜)となります。
表面汚染度検査
検体寸法 | 料金 |
---|---|
50 × 50 × 50cm (表面積 15,000 平方センチメートル)程度 | ¥ 6,000 |
80 × 80 × 80cm (表面積 38,400 平方センチメートル)程度 | ¥ 8,000 |
100 × 100 × 100cm (表面積 60,000 平方センチメートル)程度 | ¥ 10,000 |
1 検体当たりの単価(消費税抜)となります。検体が極端に小さいもしくは大きい場合には、別途ご相談させて頂きます。また、個数によってはお値引きできる場合もございます。
環境放射線検査
1 測定地点当たり 8,000 円(消費税抜)となります。また、測定地点数によってはお値引きできる場合もございます。