バイオマス度測定の概要
地球温暖化防止等の観点から、世界中で二酸化炭素(CO2)削減への取り組みが行われています。
このCO2削減の一つの方法として、注目されているのがバイオマスの利用です。
バイオマスを利用することで、
- バイオマス原料は、植物等再生可能な資源であり、持続的に使用することが可能。
- 利用後のバイオマス製品を燃焼処理する場合、発生する二酸化炭素は原料となる植物が生育する際に吸収したものであり、二酸化炭素は増加しない。(カーボンニュートラル)
- 限りある化石資源を節約することができる。
等のメリットがあると言われています。
当社が行っている放射性炭素濃度測定(14Cバイオマス度測定)は、バイオマス配合プラスチック製品等の植物由来原料に含まれるバイオマス炭素と石油由来原料の炭素の割合を確認することができ、この炭素によるバイオマス度が環境への負荷具合を検証する手がかりとなります。
放射性炭素濃度(配合率)測定=バイオマス度測定
現在の14C濃度は約100pMC(percent Modern Carbon)であり、仮にあるバイオマスプラスチックが100%天然系(生物系)由来の物質で製造されたものであれば、この試料のpMCは100前後を示すことになります。
一方、石油系(化石系)由来の物質の場合は、この試料のpMCはほぼ0を示すため、例えば、天然系ー石油系の配合率がそれぞれ50%ずつの試料の場合、50pMC前後の値を示すことになります。
※)配合率は炭素の量を基にした数値です。
バイオマスの配合比率を示す指標には、重量比をもとにしたものや認証システム特有の計算式を用いるものなど幾つかの方法があるため、測定対象物によってはそれらの指標と一概に比較できない場合があります。
測定できる試料・必要量について
測定できる試料
ペットボトル、ポリ袋(レジ袋・ゴミ袋)、フィルム、香料、インク塗料、接着剤、ガス試料 等
必要量の目安
ペットボトル | 2本 |
ポリ袋(レジ袋・ゴミ袋) | 2枚 |
フィルム | 2枚 |
香料、インク塗料、接着剤 | 1g |
※上記はおおよその必要量です。試料の状態により必要量は変わりますので詳細はその都度ご案内いたします。
※混ざりやすい液体や気体以外の試料は、採取箇所による測定値への影響を避けるため2ヶ所の測定を行い、結果が誤差範囲内であれば1点のご報告をいたします。
納期・単価
測定期間 | 分析日数 | 単 価 |
---|---|---|
通常(4~10月) | 1ヶ月程度 | ¥67,100.-(消費税抜き¥61,000.-) |
通常(11~3月) | 2ヶ月程度 | |
特急(4~10月) | 3週間以内 | ¥73,700.-(消費税抜き¥67,000.-) |
特急(11~3月) | 1ヶ月以内 | |
超特急 | 2週間以内 | 別途ご相談 |
6営業日以内 |
分析試料の送付について
注文用紙をダウンロードの上ご記入をお願いいたします。
(1)分析試料1点ごとに注文用紙(試料カード)が必要です。
(2)分析試料と注文用紙(試料カード)を下記住所までお送りください。
株式会社加速器分析研究所 〒214-0013 神奈川県川崎市多摩区登戸新町129-1 TEL 044-934-0020 |
AMS法によるバイオマス度測定はバイオマス度を確認する科学的な方法として広く認められており、国際標準規格(ASTM D6866・ISO16620など)にも採用されています。