AMS法

AMS装置

AMSの動作原理

試料中の炭素同位体比を AMS で測定するには、試料を純粋な炭素だけの状態(グラファイト)にします。

次にグラファイトを AMS 装置のイオン源に取り付け、セシウム陽イオン (Cs+)をグラファイト表面に照射することにより、炭素陰イオン(12C13C14C)を生成します。

その後、生成された陰イオンは電位差によりイオン源から引き出され、ビームラインに導入されます。

タンデム加速器中央には正の電極があり、入射した陰イオンはこの電極に引き付けられ加速されます。

この電極内にある希薄なアルゴンガス層をイオンが通過する際、陰イオンは電子を剥ぎ取られて陽イオンへと変換されます。

その後、陽イオンは中央電極の正の電荷と反発することで、さらに加速されます。

タンデム加速器で加速された炭素陽イオンを分析電磁石で曲げると、質量の違いにより12C+13C+14C+の軌道が変化します。

12C+13C+はファラデーカップで電流値が測定され、それぞれの数を算出します。

14C+は静電分析器で不純物イオンや散乱イオンが除去された後、検出器で14C+の個数が計測されます。