土器付着炭化物などの細かい試料をアルミ箔などで包んで送付いただく場合に、残念ながら輸送中にかなりこぼれていることは少なくありません。
回収できる試料量が減ってしまったり、汚染の危険が高まるなどなるべく避けたい状況ですが、包み方が原因と思われる場合も多くあります。ここではよくあるこぼれがちな包み方の問題と対処について簡単に説明いたします。
こぼれがちな包み方(三つ折りに近い形)
粒が大きい試料では問題ないため気づかれ難いかもしれませんが、上の図のような包み方は輸送中にこぼれ易くなります。
この包み方の問題は、試料を直接包むように折った面の端が、その上を塞ぐ面(※封筒でいう封の面)の折り目に届いていないことです。試料を包む各辺の中にこのような辺があると、包んだ直後にはこぼれが見られなくとも、上の右図のように隙間が生じているので、輸送中の傾きや揺れで少しずつこぼれます。
なお上の図のように明らかに封の折り目に届いていない場合だけでなく、見た目上はぴったりと封の折り目に最初の折り面の端が合っていてもこぼれることが多いです。
そこで試料を包む部分の各辺に対し、最低限の対策として例えば以下のような折り方があります。
考え方としては最初の折り方は三つ折りではなく二つ折りに近いかたちから、2重になっている端付近を重ねたままきっちり折っていただければよいかと思います。最初が二つ折りであればその後に折る試料周囲の各辺は全て2重になった部分を折ることになるので確実です。
こうすることでかなり改善しますが、細かい試料はこれでも多少こぼれが生じることもありますので、より慎重に包むなら2重になった端を巻くようにもう1重折っていただければなお良いかもしれません。※その場合は他の辺を閉じるときも同様に折らないと意味をなさないのでご注意ください。