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2008年9月 第3回「年代測定と日本文化研究」

9月20日・21日の二日間、福島県文化財センター「まほろん」にて、第三回シンポジウム「年代測定と日本文化研究」を開催致しました。沢山の方々にお集まり頂き、盛大なシンポジウムとなりました。
詳細は、下記シンポジウム後記に・・・

会場風景

1日目の様子

▲会場風景1

▲会場風景2

▲開会挨拶事務局代表(IAA社長)


▲講演1:吾妻先生


▲講演2:松原先生

▲講演3:島崎先生

▲講演4:田中先生

▲講演5:IAA鹿又

▲質疑応答

▲施設見学

▲懇親会

▲懇親会
2日目の様子

▲講演1:斉藤先生

▲講演2:西野先生

▲講演3:池谷先生

▲講演4:町田先生

▲会場風景

▲会場風景

▲質疑応答

▲閉会挨拶事務局代表(IAA社長)

第回『年代測定と日本文化研究』シンポジウム後記

9月20日、21日に、福島県文化財センター「まほろん」にて、第3回のシンポジウムが開催されました。昨年、旧石器時代の終わりから縄文時代の始まりをテーマにしたことを受けて、今年は「縄文海進」を主たるテーマとしました。今回で3回目となり、参加者も増え、初日は60名、2日目は53名もの方々が参加されました。

1日目は、吾妻崇先生(文部科学省研究開発局地震・防災研究課)から、海成段丘の高度変化と断層活動からみた第四紀後期における地殻変動についてご発表いただきました。変動地形学の概説的な部分から、南房総や能登半島の具体的な事例まで分かり易くご説明いただきました。続いて、松原彰子先生(慶応義塾大学経済学部)が駿河湾沿岸地域の完新世における海岸低地の地形発達過程についてお話下さいました。その中で、特に縄文海進によって形成された内湾閉塞型の砂州には3つの発達段階があり、それぞれの時期が相対的海面変化に対応することが示されました。また、遺跡分布との関係では、砂州の完成時期と人類活動の場となる時期の間には明瞭な時間差があることを指摘されました。島崎邦彦先生(東京大学地震研究所)は、三浦半島小網代湾干潟の事例を取り上げながら、津波堆積物の年代測定による関東地震の時期決定とその周期についてお話下さいました。首都が地震の多発する地域にある危険性について指摘され、首都機能の移転の必要性についても示唆されました。田中義文先生(パリノ・サーヴェイ株式会社)は、完新世における気候変化について、本州の広範な地域について概略をまとめた後、東北地方の花粉化石群集と気候変化について詳説して下さいました。鹿又喜隆(当社白河分析センター)は、福島県笹山原No.16遺跡において行われた平安時代の住居跡と旧石器時代の包含層の試料採取とその年代測定結果から、調査段階での試料の由来を判断する必要性を指摘すると共に、遺跡形成過程に関する検討を行ないました。

2日目は、斉藤慶吏先生(青森県埋蔵文化財調査センター)から、青森県小川原湖周辺を中心に、縄文海進と関連づけて遺跡立地や生業の変化、出土貝類組成の変化など、多岐にわたりご紹介下さいました。様々な点が、縄文海進のイベントに見事に対応しながら変化した点が明らかになりました。西野雅人先生(千葉県教育振興財団)は、関東地方南部における縄文海進期の古海況と、遺跡や貝塚の変遷についてお話されました。初期の貝塚が形成された時期は狩猟中心の生業であり、その後に漁撈や貝塚の形成が急激に発展する様子を明確に提示されました。水産資源の利用については、海底地形を含めた古海況が、漁法や得られる魚・貝種に反映される点を示されました。また、貝塚立地についても、海進の状況に関連して集中域が変化する様子が示されました。池谷信之先生(沼津市文化財センター)は、東海地方西部ではアカホヤ火山灰の降下(約6300yrBP)によって生活環境が悪化し、人々は東海東部への移動によってそれに対処したことが示されました。移動の根拠としては、木島式土器の鉱物組成と化学組成を提示し、その確実性が高いことを示されました。移動した人々は漁撈を行なったため、東海東部では石錘の出土数が増加しました。さらにこの地域では、縄文時代前期初頭の木島V式期に巨大地震が発生し、木島式に象徴される人々の足跡が途絶え、以後の時期には集落が急減することが指摘されました。町田賢一先生(富山県文化振興財団埋蔵文化財調査事務所)は、北陸地方の縄文時代草創期から前期初頭にかけての遺跡や遺構、遺物、集落などの変化について網羅的に解説下さいました。遺跡の立地や生業のあり方から、山地での移動生活から丘陵地、低地への集落の形成へと変化し、海洋資源の開拓が縄文時代早期末から前期初頭にかけて本格化したことを示されました。北陸地方では貝塚が少ないというのが通説でしたが、近年の沖積地の調査によって低地性の貝塚が確認され、同様な調査の必要性を指摘されました。

質疑応答では、両日とも特に発表者間での意見交換が盛んに行なわれ、各地域での研究の現状や今後の方向性について示唆されました。また、各分野間の交流が図られ、学際的な研究の重要性がうかがえました。

最後に、会場をご提供下さいました、福島県文化財センター「まほろん」、並びに職員の皆様に多くのご支援・ご協力を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。

第三回シンポジウム『年代測定と日本文化研究』

日時 2008年9月20日(土)・21日(日)
場所 福島県文化センター白河館 まほろん
主催 「年代測定と日本文化研究」シンポジウム事務局(IAA)
内容

◆9月20日(土)

12:45 受付開始(13:00 会場準備)
まほろん見学 13:00〜13:30
13:30 開会行事
(1)開会
(2)主催者挨拶 シンポジウム事務局代表 松井隆雄(IAA代表取締役)
(3)日程確認
【テーマ1 14C測定が貢献する環境変動と自然災害の研究】
13:50 1地殻変動 吾妻 崇氏(文部科学省研究開発局地震・防災研究課)
14:20 2海水準変動 松原彰子氏(慶應義塾大学)
14:50 3地震 島崎邦彦氏(東京大学地震研究所)
15:20  休憩
15:30 4生態系 田中義文氏(パリノ・サーヴェイ)
16:00 5発掘現場におけるサンプリングの実践的研究 鹿又喜隆(IAA)
16:15 質疑応答
16:25 1日目閉会式  (司会からIAA施設見学・懇親会の連絡)
16:30〜17:00 施設見学 (IAA施設)
17:30 懇親会

◆9月21日(日)

【テーマ2 縄文海進と人々の生活の変遷】
9:30 受付開始
9:45 6「東北地方北部」斉藤慶吏氏(青森県埋蔵文化財調査センター)
10:15 7「関東地方南部」西野雅人氏(千葉県教育振興財団)
10:45 休憩
10:55 8 東海地方 池谷信之氏(沼津市文化財センター)
11:25 9 北陸地方 町田賢一氏(富山県文化振興財団埋蔵文化財調査事務所)
11:55 10質疑応答 
12:10 閉会式
〜14:00 施設見学(まほろん・IAA施設)

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