放射性炭素年代測定

放射性炭素年代測定の概要

自然界には、重さの違う3種の炭素同位体(12C,13C,14C)が存在します。
このうち14Cは放射性同位体と呼ばれ、地球上に絶え間なく降り注ぐ宇宙線が大気中で原子核反応をして作られる一方、半減期5730年で放射壊変により減少していきます(5730年で半分に減少します)。
こうして生成量と減少量がつりあい、環境中の14C濃度は一定となります。
このとき炭素の割合は

12C : 13C :14C = 0.99 : 0.01 : 1.2×10-12

となっており、 14Cは通常の(12C)炭素の約1兆分の1の割合で現在の自然界に存在しています。

炭素元素は酸化されてCO2となり、大気圏、生物圏、水圏へと拡散して、12C,13Cと共に14Cも植物体やそれを食する動物体に取り込まれます。
動植物が生命活動を行っている間は、動植物が体内に取り込んでいる炭素の割合は環境(自然界)の割合と平衡状態にあります。
ところがその動植物が死んでしまうと、体内に取り込まれていた12Cと13Cは安定しているのに対して、14Cは新たに補充されることないため、半減期に従って時間の経過とともに一定の割合で減少します。

この 14Cが規則的に減少するという性質が正確に時を刻む時計の役割を果たし、これを利用して年代測定を行なうことができるのです。
動物中の初期14C量と減少後14C量を比較することにより、生物が死んでから今日まで経過した時間を推定する方法が放射性炭素年代測定法です。

加速器質量分析法(AMS法)

放射性炭素年代測定のうち、試料中の14Cの数そのものを直接数えるのが加速器質量分析法(AMS法)です。
AMS法では14Cの崩壊を待つ必要がないので測定時間が短くて済み、しかも試料中大量にある14Cの数を直接測定するので効率が良く、試料量がβ線計数法の約1000分の1で測定できます。
このため、今までは採取できる量が少なくて測定ができなかった試料や、貴重な文化財など破壊することを最小限にしたい試料の測定ができるようになりました。
また、1試料あたり約1時間という短時間で測定することが可能となっています。

【活用分野の例】

活用分野主な試料の例
考古学年代測定遺跡出土の炭化物や木材、骨、貝殻など
地層・地質・古環境学年代測定土壌・海底や湖底の堆積物・地層に包含された有機物片など
古美術などの真贋判定の参考木材・紙・糸などの有機質材料
環境中の物質動態の天然トレーサーとしての利用海洋や河川水の溶存炭素・現生生物など
香料等の天然・合成物判断香料・食品添加物など
有機材料割合の評価プラスチックなどの化学工業製品
薬物動態試験におけるトレーサー血液や排泄物、それらのHPLC画分などの検体

分析の流れ(AMS法)

分析工程詳細
ピックアップ試料表面の汚れを物理的に取り除きます
試料前処理 試料内外の汚染を物理的・化学的に除去します(AAA処理など)
試料の酸化試料中に含まれる炭素を二酸化炭素にします
CO2精製 水や窒素などから二酸化炭素を単離・精製します
還元精製した二酸化炭素をグラファイトにします
AMS測定 グラファイトを充填させたカソードをホイールに装填します
加速器にホイールを装填し、炭素同位体比を測定します
データ処理炭素同位体比とδ13C値より、年代値を算出します

ご依頼について

これら各種の年代(濃度)測定業務を行っております。
測定をご希望されるお客様は、料金表及び試料カード(PDFファイル)をご参照の上、本社営業部宛にお申し込みください。
また、調査現場でのサンプル採取などのサービスも実施しております。
各種ご要望がありましたら、お電話(営業部:044-934-0020)または、お問合せフォームよりご連絡ください。

料金について

測定料金は、料金表をご参照ください。
詳しくは、お電話(営業部:044-934-0020)または、お問合せフォームよりご連絡ください。